「嫁よ、もう祭祀膳は作らなくていい」韓国の秋夕(チュソク)が大きく変化?今年は「祭祀をする」家庭が27.3%に

韓国


韓国の秋夕(チュソク)とは?

韓国には「秋夕(チュソク/추석)」と呼ばれる大きな祝日があります。

ちなみに2026年のチュソクは9月25日です。

秋夕は、旧暦の8月15日にあたり、日本でいう「お盆」に少し似た行事です。家族や親戚が集まり、ご先祖様に感謝したり、お墓参りをしたり、家族で食事を楽しんだりします。

秋夕の時期には、ソンピョン(송편)という半月型のお餅を食べる習慣もあります。ごまや豆、栗などが入った小さなお餅で、秋夕を代表する韓国の食べ物のひとつです。

また、秋夕と聞いて「차례(チャレ)」という言葉を思い浮かべる人もいるかもしれません。

チャレとは、秋夕やお正月などに、ご先祖様に食べ物をお供えして行う儀礼のことです。

家庭によって違いはありますが、果物や料理などを並べた「차례상(チャレサン)」と呼ばれる祭壇を用意し、家族や親戚が集まって儀礼を行います。

ただ、近年の韓国では、この秋夕の過ごし方にも変化が見られます。

昔ながらの方法で料理をたくさん準備するのではなく、簡単な料理だけを用意したり、そもそもチャレを行わない家庭も増えています。

「家族みんなで集まってご先祖様を迎える」という秋夕の文化は残りながらも、その過ごし方は少しずつ現代の生活に合わせて変わってきているようです。

今年、祭祀をする家庭は27.3%

では、実際に今年の秋夕にチャレ(祭祀)を行う家庭はどのくらいあるのでしょうか?

韓国農村経済研究院(KREI)が2026年に行った調査では、今年の秋夕に「チャレを行う予定がある」と答えた家庭は27.3%でした。

一方で、「チャレを行う予定はない」と答えた家庭は65.3%。チャレを行う家庭よりも、行わない家庭のほうが大幅に多い結果となりました。

さらに注目したいのが、過去との変化です。

2016年の調査では、秋夕にチャレを行うと答えた家庭は74.4%でした。

それが2025年には40.4%となり、2026年には27.3%まで減少しています。

2016年と2026年を比べると、10年間で47.1ポイントも低下したことになります。

つまり、韓国では「秋夕だから必ずチャレをする」という家庭ばかりではなくなってきていることが、今回の数字からも分かります。

ただし、チャレを行う家庭が減ったからといって、秋夕そのものがなくなったわけではありません。

家族や親戚が集まったり、お墓参りをしたり、秋夕の料理を食べたりするなど、過ごし方は家庭によってさまざまです。

また、チャレを行う家庭の中でも、昔ながらの方法をそのまま続けているとは限りません。

今回の調査では、チャレを行う予定の家庭のうち、「伝統的な礼法に合わせながら簡素化する」と答えた家庭が50.9%で最も多くなりました。

「チャレをする・しない」という二択だけではなく、「するけれど、以前より負担を減らす」という家庭も多いようです。

韓国の秋夕は、昔から続く文化を残しながらも、現代の生活スタイルに合わせて少しずつ形を変えているのかもしれません。

秋夕の食費は20万ウォン台が最多

秋夕には、家族や親戚が集まって食事をする家庭も多いため、料理や食材などにどのくらいお金がかかるのかも気になるところです。

今回の調査では、秋夕の名節料理や食材にかけると予想される金額についても調べてみました。

最も多かったのは「20万ウォン台」で、全体の31.7%を占めています。

続いて、

・20万ウォン未満……24.7%

・30万ウォン台……22.3%

・40万ウォン台……13.2%

・50万ウォン以上……8.2%

という結果でした。

韓国では秋夕に家族や親戚が集まり、さまざまな料理を準備することがあります。

特にチャレを行う家庭では、ご先祖様にお供えする料理や果物なども用意するため、準備する食品の種類が多くなることもあります。

一方で、先ほども書いたように、チャレを行う家庭の中でも「伝統的な礼法に合わせながら簡素化する」という回答が50.9%と最も多くなっています。

また、家族が好きな料理を中心に準備したり、自分で作る料理と購入した料理を組み合わせたりする家庭もあります。「家族が好きな料理を中心に準備する」という家庭が13.2%、「家族が直接準備する料理と購入した商品を組み合わせる」という家庭が8.8%となっています。

昔ながらの秋夕料理をすべて一から作るのではなく、家庭の事情や負担に合わせて準備方法を変える家庭が増えていることも、今回の調査から見えてきます。

秋夕は韓国の大切な伝統行事ですが、「昔と同じ方法で行わなければならない」という形から、家族に合わせた過ごし方へと変化しているのかもしれません。

「嫁が全部準備する」時代から変化?

韓国の秋夕について調べていると、「嫁の負担」という言葉を目にすることがあります。

昔ながらの秋夕では、親族が集まるためにたくさんの料理を準備する必要があり、その準備を女性、特に嫁が担うケースもありました。

秋夕の料理というと、ジョン(전)と呼ばれるチヂミのような料理や、ナムル、肉料理、果物など、さまざまな食べ物があります。

さらにチャレを行う家庭では、ご先祖様にお供えする料理も準備します。

そのため、秋夕の前から大量の料理を作ることが、家庭によっては大きな負担になっていました。

こうした背景もあり、近年では「昔ながらのやり方をそのまま続けるのではなく、家族みんなで負担を分けよう」「料理をすべて手作りせず、購入したものも利用しよう」という考え方も見られるようになっています。

この結果を見ると、少なくとも現在の韓国では、昔ながらの料理をすべて用意することだけが秋夕の過ごし方ではなくなっていることが分かります。

もちろん、家庭によって習慣は大きく異なります。

今でも伝統的な方法でチャレを家族で協力して準備する家庭もあります。

「韓国の嫁はみんな秋夕の料理を一人で作っている」というのは、だんだん無くなって来ています。

昔から続く文化を残しながらも、家族構成や生活スタイルに合わせて、少しずつ負担を減らしていく。

今回の調査からは、そんな秋夕の変化も見えてきます。

おわりに

韓国の大切な伝統行事である秋夕ですが、その過ごし方は少しずつ変化しています。

チャレを行わない家庭が増えたり、行う場合でも料理を簡素化したり、購入したものを取り入れたりする家庭も増えています。

伝統を大切にしながらも、現代の生活に合わせて無理のない形へ変わっていく。

今回の調査からは、そんな韓国の秋夕の変化が見えてきました。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

次回も日韓に関する疑問について答えて行きますのでお楽しみに!

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